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XSemi、ICとSiCの製品ラインをカーブアウトしスピードアップ図る 鴻海とYAGEOの半導体開発における戦略的提携について

2023/05/31

鴻海(ホンハイ)科技集団(TWSE:2317 TW、以下“鴻海”)とYAGEO Group(TWSE:2327 TW、以下“YAGEO”)は本日、両社の半導体合弁会社であるXSemi Corporation(以下“XSemi”)が、IC(集積回路)およびSiC(シリコンカーバイト)製品やモジュールビジネスを鴻海が新設したIC設計子会社に、204百万NT$で譲渡すると共同発表しました。これに伴い、両株主は、XSemiの株式保有比率をYAGEO 55%、鴻海 45%に調整します。また、YAGEOの会長であるPierre Chen氏は、XSemi Corporationの会長に選出される予定です。

 

XSemiは、世界最大のEMSである鴻海と、世界有数の電子部品ソリューションプロバイダーであるYAGEOの間で、2021年に設立されたジョイントベンチャーです。アナログ半導体とパワー半導体に特化したIC設計会社で、主に車載、通信、産業用パワーマネジメントとディスクリートデバイスおよびモジュールの設計、開発、製造に注力しています。XSemiチームは、両株主のリソース・サポートを受けて、チームのセットアップと製品開発の環境整備を無事完了しました。

 

2年間のあいだで、XSemiはパワーマネージメントICとMOSFET製品をコンピューティング、コンシューマーのお客様に出荷を始めました。さらに、XSemiの1200V/800A SiCパワーモジュールは、4Q22のHon Hai's Tech Dayで初めて発表・紹介されました。 XSemiの製品は、パワートレイン、ボディコントロール、オンボード充電、ADAS(先進運転支援システム)など、EVサプライチェーンのデザインインフェーズに入ることに成功しました。2022年5月、鴻海とYAGEOは、国内MOSFETのリーダーであるAdvanced Power Electronics Co. TWSE: 8261; APEC)の第三者割当増資に参加するための新株発行を通じて更なる貢献をし、XSemiはAPECの筆頭株主になりました。

 

鴻海の会長兼CEOであるYoung Liu氏は、「今回の戦略転換により、鴻海とYAGEOは、より明確な方向性を持って小型ICの協業を行うことができるようになる。鴻海は、XSemiが過去2年間に行った特定分野の研究開発を引き継ぎ、その自動車用ICを独自のリファレンスデザインにより当社のEVソリューションに組み込んでいく。それは、鴻海の費用対効果に貢献するだけでなく、さらに重要なこととして、競合他社に対する差別化を図り、価値を創造し、自動車のお客様にさらに満足していただくことになる。」と述べました。

 

鴻海の新しいIC設計子会社は、2023年末にEV製品を提供するという鴻海のスケジュールに合わせて、XSemiのICおよびSiC製品チームを受け入れます。譲渡後、新会社は鴻海の関連部門と密接に連携し、新しいEEA(電気・電子アーキテクチャ)ソリューションを共同開発する予定です。

 

YAGEO会長のPierre Chen氏は、「カーブアウト後の新たな戦略的展開により、YAGEOと鴻海の半導体に対する戦略的焦点が絞り込まれ、XSemiを異なるレベルに押し上げるためのリソースを最適化することができる。また、MOSFETの開発にさらに注力することで、YAGEOがアクティブ・コンポーネントの分野で足場を固めるための重要なマイルストーンとなるだろう。」と述べています。

 

ICとSiC製品・モジュールの譲渡後、YAGEO会長のPierre Chen氏は、XSemiとAPEC両社の会長に就任しました。これにより、XSemiとAPECの戦略的パートナーシップはさらに強固なものとなり、MOSFET分野における両社の製品の包括性が高まります。YAGEOの広範なグローバル販売ネットワークにより、MOSFETの既存市場であるアジア太平洋地域の家電製品の顧客から、欧州、米国、日本のハイエンド・プレミアム市場の顧客まで拡大することができるでしょう。

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